グラスウールとロックウールの違い、防音効果は?素材や断熱性能など断熱材を比較
建築素材であるグラスウールとロックウールの違いについて、素材や断熱性能などを比較します。
同じ断熱材でも、素材の種類によって防音効果に違いがあるか?建物の用途や建物などのよって使い分けはあるか?価格(コスト)面での違いは?など値段なども比べて最適な壁材を選びましょう。
グラスウールとロックウールの違いは?素材や断熱性能など
家を建てる時やリフォームで使われる断熱材グラスウールとロックウールなのですがどちらが断熱性能が良いかの違いや比較を検討します。
グラスウール
廃ガラス等リサイクルされたガラス系の素材を繊維状にして、袋に詰め込んだものがグラスウール(グラス繊維)です。日本では最も主要な断熱材の1つになっており、リフォームの時によく使用されます。
ただし、グラスウールは水を吸って結露が出来やすい吸湿性があり、ぬれると性能が大きく下がってしまうため正しい施工の対策が必要です。
ロックウール
(鋼鉄スラグが用いられていることから"スラグウール"とも呼ばれている)※製鉄所の高炉の残りカス(スラグ)
安山岩や玄武岩などを原料とし高熱で溶かし、細い繊維状にした人工の鉱物繊維のものがロックウールです。岩石が原材料の為、耐火性に特に優れている事が特徴です。
ロックウールは耐火性の面でも高性能であることから、不燃材としても認められています。例えば家が火災になってしまった時、ロックウールは650から700度の耐火性を持っていいます。
家が鉄骨造の場合、強度の大きく変化が落ちる温度が600度と言われているので消火や避難に時間を稼ぐことが出来ます。
グラスウールの性能ランクで比べると…
2つの比較としてグラスウールには性能ランクがある為、高性能なグラスウールなら断熱性に大差はありません。
わかりやすく数字として熱伝導率の比較になりますが
・高性能グラスウールは0.038~0.058 W/mK
・ロックウールは0.036~0.05
※熱伝導率к[W/mK]:厚さ1mの板の両端に1℃の温度差がある時、その板の1㎡を通して、1秒間に流れる熱量。
比べてみると、高性能グラスウールとの差がたいしてない事もわかります。
結果的には大差はなくどちらも断熱素材として非常に優秀ですが、断熱性能重視で考えた場合ロックウールは繊維自体にたくさんの空気を取り込んでいる為断熱性と保湿性が高いので特徴的には重視されます。
グラスウールとロックウールの違い、防音性能で比較
次に「防音効果」の違いに着目します。
防音とは2通りの遮蔽の手段があり、「遮音」と「吸音」があります。
「遮音」は設置した遮蔽物が音を跳ね返すことにより、音の伝わりを防ぐことになりライブハウスなど音の飛び交うなか扉を閉めると一気に音が小さくなります。これはドアが音の伝わりを反射させて小さくしているからです。
「吸音」は音を吸収して音を小さくさせるもので、今回のグラスウールとロックウールが「吸音」の役割をします。
グラスウールとロックウールも基本的には同繊維系の素材であるため、吸音の効果は似ており、材料の厚さが増すほど効果が上がります。
吸音効果を比べると
吸音効果についての特徴としては、グラスウールは高音域・ロックウールは低音域に効果が現れるといった音域によって違いがみられます。
コスト面から考えるとグラスウールの方が密度や厚さを考えるとコストパフォーマンスが良い点もありますが、ロックウールで考えるのであれば密度厚さを削って予算を考える手もあります。
吸音性で考えるのであればグラスウールの方が良いと思います。ただ、グラスウールのデメリットでもある結露など地域性からロックウールを選択することもあるでしょう。
床下など2階の部屋からの足音などの低音の音には特徴的にはメリットにもなるので場所などケースに合い予算にあった設置をお勧めです。
グラスウールとロックウール使い分け(価格差・値段も比較)
コスト面から考えるとグラスウールが安価であり、高性能グラスウールであればロックウールと大差はありません。そのため、建築費用を抑えるのであればグラスウールの方がコスト面では費用を抑えられます。
しかしグラスウールには吸水性があるため、防水工事が必要になる為予算を考えなければなりません。
ロックウールには撥水性がありますが、グラスウールに比べるとコストが上がってしまします。どちらも長所と短所があります。
断熱材の選び方としては、コストで選ぶか、環境的に水が入りやすいか、それぞれの性能や住む環境の条件を検討することが重要となります。
防音効果や断熱性能など総合的に判断しよう
先程の「吸音」などから考えると、特に2階などの床には低音に強いロックウールを使い壁にはグラスウールを使うなど組み合わせて使う事も用途や建物の建築段階で考慮しながらコストパフォーマンスを考えていくことが最善の策かと思います。
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